妻、やめます。

モラハラ夫と過ごした日々の回想録

妻、ひたすらモラハラ夫を待つ~終わらない残業編

モラハラ夫を〝待つ〟つとめ


モラハラ夫と暮らした日々。

私は、気の遠くなるほどの時間を
夫を待つことに費やしていました。


さまざまな場面、状況で夫を待ち続けた妻。


夫への純粋な愛情、尊敬と感謝

それと

醜い嫉妬心や不安、恐怖、緊張


〝待つ〟ことにたくさんの感情が入り乱れていました。


今回は、~終わらない残業編~

夫の残業を待ち続けた妻のおはなしです。

 〝待つこと〟への心情に変化が


かつて私の〝夫を待つ〟という行為は、ただの愛情だけで成り立っていました。


しかし、夫のモラハラが顕著になってからは、私の心の中に〝不安〟〝恐怖〟〝疑念〟〝怒り〟などが棲みつくようになり、それまでの〝愛情〟〝尊敬〟で染めていた心の色合いが変化しました。

 

帰宅時間を教えてくれない夫


夫の帰宅時間は日々バラバラでした。

深夜・朝方まで残業のときも連絡をくれませんでした。

※作業に行き詰まったりしたときなど、夫の気分によっては、ごくたまにメールしてくることも。



夫の心の奥には常に


頑張って仕事してる俺

家で楽しているお前


養ってやってる


俺ばっかりがしんどい



という本音があるので、


おそらく、家で楽して待つだけの妻にわざわざ連絡するという気遣いは生まれなかったのだと思います。



私は、夫の仕事が激務であることは理解していたので、残業でどれだけ遅くなろうと口出ししたことは一度もありませんでした。

 

自分には絶対に務まらないであろう教員の仕事をこなす夫に敬意を払い、生活させていただけることへの感謝も表していました。

※夫の、教師の仕事への姿勢に関しては思うところがありましたが。。。


しかし、日頃から夫から明らかに私を蔑視するような言動・態度を受け続けた私は、心が潰れて小さくなっていました。

食べずに待つ

日々忙しく、疲れきって帰宅する夫。

そんな夫に私ができることは、心を込めた温かい食事を出すこと。
心身ゆるめて、リラックスしてほしかった。

そのため、夕飯は下ごしらえだけを済ませておき、必ず夫が帰宅してから仕上げてできたてを出していました。


夫はどんなに遅くても必ず家でご飯を食べる人でしたので、私は夫が帰るまで食事せずに待ちました。


疲れている上に、毎日不機嫌であまりコミュニケーションがとれない夫。

 

一日の中で唯一、つかの間。
ふたりで食卓を囲み、この空気を共有できる時間を大切にしたいと思っていたのです。

 

眠らずに待つ

残業の時はどんなに遅くても、朝帰りでも、パジャマに着替えず布団も敷かずに待ちました。

 

畳んだ布団の上に横たわってウトウトはありましたが、夫が帰宅したらすぐに明るく迎えられるようにしてました。

 

夫が仕事をしているのに対し、
自分は布団で休むことに罪悪感がありました。

 

励ましながら待つ

残業が深夜をまわると、
わたしからよく、励ましのメールを入れました。

 

ある日、かわいいキャラクターの画像を貼って励ましのメールを送ったら、夫がとても感激してくれたのです。

 

※それからは残業の時以外にも、夫が喜んでくれそうな画像を探してたくさんストックし、夫が弱っていそうな時やコミュニケーションが取れずに苦しい時などに画像を送りました。
夫は、私の言葉には反応が薄く、嫌悪を示して突き放すか無視することが多いのですが、画像だと喜んでくれました。

 

しかし、深夜のこのメール。
途中から少し役割が変わりました。

 

純粋に夫を励ますだけではなく、


・学校で寝てしまっている夫を起こす

・〝私は深夜も怠けずに、夫のことを考えて一緒に闘っているよ〟というメッセージを発信する


という目的が加わりました。

 


まずは、一つ目の目的。

夫から残業中に眠ってしまうことがあると聞いたので、居眠り予防のためです。

夫は家で仕事をするときも寝落ちるので、私が起こすのですが、ものすごく感じ悪く睨みながら「何?寝てないし」などと言い張ります。

 

夫の機嫌を損ねないように起こすのはとても緊張して嫌です。

でも、起こさないと
いつまでも仕事が終わらない。夫が帰ってこない。私も休めない。

 

私は夫が居眠りしているかどうかには触れずに、明るいメールを送りました。

 

二つ目の目的。

夫は度々、専業主婦の私に嫌味を言いました。


〝あなた俺より稼げないでしょ〟

〝俺とあなたは日頃の緊張感がちがうから〟


確かに、夫の仕事に及ばないことはわかっています。

 

夫にダメな妻だと言われたくない。
今の私では、まだまだダメなんだ。

何かしなくては、、、、
どうすれば夫は満足してくれるのか。


〝ムギコは俺より楽して怠けている〟と思っている夫に、〝私はいつでも怠けずに、イチオを応援しているよ!〟というアピールのひとつとして、この画像メッセージの送信がありました。


ある時、かわいい画像を探している時に折り紙の動画を見つけました。

私は〝これだ!〟と思い、深夜に黙々と折り紙を折りました。

折り紙は苦手でしたが、

少しでも夫の心がほっこりしてくれたらいいな。
少しでも私が怠けていないことが伝わればうれしいな。

という思いで必死でした。

自己満足な側面もありましたが、それでも何もしないよりはずっといい。

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残業中の夫へ深夜のエール!


ちなみに、画像の中の〝〇〇くん〟の〝くん〟
日頃から夫のことを君付けで呼んでいたわけではありません。

ただ〝イチオ がんばれ!〟と書くと、

「上から偉そうに」
「何様なの?」

という、
よくある夫の言葉が聞こえそうなため、
君付けすることでやわらかくしていました。

夫の不機嫌や怒りの地雷を踏まぬよう、かなり神経をすり減らしました。

 

やっぱり連絡は欲しい


とても遅くなる時はメールがほしい

と何度か伝えたことはありましたが、お知らせをくれたのは数回きりでした。


いつだったか
私のささやかなお願いが、夫の癇に障ってしまって惨事になりました。

 

夫は目を見開いてものすごく恐ろしい形相で怒り、口汚く罵ってきました。


「俺、一言も待ってろとか言ってないよね」

「言ったか言わないか聞いてんだよ」

「すげー不愉快になった。謝れ」

「嫌なら何もするな」

「俺はこれ以上何もできない」

「不満なら実家に帰れ」


地獄のようでした。


確かに、夫がはっきりと

〝俺が帰るまで食うな寝るな〟

と言ったわけではありません。


しかし、夫の不機嫌や罵りにさらされるうちに、このスタイルの〝待つ〟に

辿り着きました。



家事は大好き。
夫のためにもなりたい。

ただ、深夜・朝まで連絡が無いのはつらかった


頑なに帰宅時間を教えてくれない。
連絡がとれない。

私は小さなことにも不安に駆られることが多くなりました。


夫は嘘つきです。



私に平気な顔をして、息を吐くように嘘をつきます。


今日は残業なのだろうか。
どこかへ行っているのか。


夫はよく、自分は私に嘘をついておきながら


「夫を信じられないとか、終わりだよ」

「仕事をしている人間に失礼だ」


と、私を罵りました。


私自身も、夫を信じられない妻はだダメな妻だ、と思います。

でも、夫は本当を見せてくれない。


〝信じたい〟と〝不安〟

私は心がいったりきたり。
ひとりで痛む心を抱えていました。


おわりに


小さなことではあるけれど、続けていればいつかは夫の心にも何か感じるものがあるのではないかと思い、自分なりに心を尽くしてきました。

しかし

妻は自分の便利な道具であると思っているモラハラ夫にとっては、私がいかに夫の要望に上手に正確に応えるかが大事なのであって、そこには情も共感もありません。


夫に雑に扱われ続けた私の心は
夫の手によって、色も形もずいぶん変えられてしまいました。


〝夫の帰宅を待つ〟私の心は

純粋な愛情だけで満たされたものだったのに、次第に夫のモラハラな本音への忖度や保身に浸食されていきました。


次回は、
妻、ひたすらモラハラ夫を待つ~遠い夫の心編~です。

 

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